劣化と腐食
40年も経つと、シロアリや傾斜を免れたとしても
何か劣化していたり、腐食している箇所はあるものです。
購入する際に、不動産会社の建物チェックサービスを受けたのですが、
その時には、雨漏りが一箇所あるということしか判明しませんでした。
その雨漏りは屋根のスレートの継ぎ目から雨が進入しているということで、
早々に板金屋さんに修理をしていただきました。
雨漏りはもうないだろうと安心していたのですが、
壁の中に雨水が入り込み、カビで真っ黒!
しかも横に渡した木材が腐食していました。
この写真です。
この壁、西側の外壁の内側なのですが、外壁のサイディングボードの
隙間から雨漏りしていたようです。
西日が当たりすぎて劣化したのだと思われます。
ベテランの大工さんが「ええヒノキの柱仕入れたから、ちゃんと
補修しとくよ。写真も撮っとくわ」とおっしゃって、「これ!」と
指差された床には綺麗なヒノキの木材が置いてありました。
ヒノキの木材は、予定外の出費で(契約には入っていないので)
工務店の社長さんは「赤字になるやん」と、困ってしまうかもしれません。
こんな腐食した所を見つけても、何も言わずボードをかぶせて
クロス張りしてしまったら、誰も気づきません。
それを、きちんと手間隙かけて直していただける大工さんに
施工していただけて、本当に安心です。
以前、別の工務店の社長さんにお聞きしたことです。
やはり古い家の大々的なリフォーム工事で、
工事前の調査では分からなかったシロアリ被害が出てきたのですが、
契約にはその補修工事が入っていなかったため、
かなり儲けが減ってしまったそうです。
「今度からは、『シロアリ被害が発覚した場合は追加料金を
いただきます』って言う文言を契約書に入れておかないとダメですね。」
と苦笑いされていました。
古い家は壁を開けてみてキャー!床下を見てワォ!天井裏を見てヒャー!
というような事が多々あるのですね。
人でも長いこと生きていたら、あちらこちらが痛んでくるものですが、
家でも同じです。でもそれは、長い年月、風雨にさらされながら
何かを守ってきた証拠です。頑張ってきた証拠です。
「お疲れさま。元気になったら、もうひと頑張りしてね!」と、
腐った木に向かって話しかけたら、危ない人でしょうかねぇ?(笑)